比例代表制とは?仕組みや当選する人の決め方を解説!

選挙になるとよく耳にする「比例代表」ってことば。この仕組みや内容について、子供にもよくわかるように解説するよ。

衆議院も参議院どちらの選挙も 選挙区 と 比例代表 の2つの方法から議員が選ばれることになります。衆議院の場合は小選挙区といって、1つの地域から1人だけ当選というしくみです。なので選挙の投票会場に行ったら、選挙区用が1枚・比例代表用が1枚で合計人2枚の用紙が渡されるよ。

※衆議院選挙では他に「最高裁判官の国民審査」も投票するんだ!つまり3枚渡されるよ!

選挙の投票流れ

初めて投票に行く人は緊張するよね!学校の体育館とかに、長椅子や簡易的なテーブルが置かれていてすぐに誘導してくれるからだいたい5分くらいで終わるよ!

まず最初に1枚目の投票用紙が渡されます。あなたの住む地域の立候補者の中から「この人だ!」と思う人の名前を記入して、選挙区の投票箱に入れます。(小選挙区とも言うね!)

そしてその後にもう1枚投票用紙が渡され、そこには指示する政党の名前(比例代表の候補者名でもOK)を記入して比例代表制の投票箱に入れます。

小選挙区ってなに?

衆議院の選挙の場合小選挙区の方では1番多く投票された、たった1人が当選となります。選挙活動の範囲が狭いので選挙にかかるお金を低く抑えられ地域の人に密着した選挙活動ができるのがメリットですが、当選以外の票は死に票となります。

接戦で落選した人の数の票が無駄になるのはもったいないような気もするね・・。

当選する人と落選する人が一目瞭然でわかりやすいシステムですね。参議院選挙の場合は選挙区(大選挙区)なので、1つの地域につき2人以上が当選します

比例代表制のしくみは?

そしてもう1つの比例代表制の開票の仕組みについて。

参議院と衆議院、どちらもドント式という計算方法で当選する人が決まるようになっています。そのドント式っていったいどんな仕組みなのかを説明しますね。

 

たとえば、比例代表選で7人が当選する地区があったとします。

※地域によって何人が当選するかがきまっているよ!

そして7人の当選を目指し4つの政党「ねこ党」「ヒョウ党」「ライオン党」「トラ党」が戦い、投票が行われた例で考えてみます。

比例の場合、「推しの政党名」を記入して投票しますが(比例選挙に立候補している名前でもOK)結果は下の図のようになりました。

比例代表選挙結果①

ねこ党が2400票・ヒョウ党が2100票・ライオン党が1800票・トラ党が1200票を獲得したようになっています。その各党が得た投票数をそれぞれ1・2・3・4の数字で割り算をして表に表します。

なぜ「4」で割るのか?それはこの地区に4つの政党が立候補しているからです3つの政党が立候補しているなら3,5つの政党が立候補したなら5まで割っていきます。

さて次に各政党では、比例選挙に出す「候補者の名簿」を作ってあります。名簿に並んでいる名前は、上から順に各党が決めた人の名前が書かれています。

ねこ党の名簿であればこうなっています。政党が比例で当選させたい順番に並べています。

他にも名簿に名前を書く順番を決める方法があるけど、それはもう少し後で説明するよ!

この名簿の順番にさっきの票に割り当てていきます。

比例代表選挙結果②

※ ここで勘違いしてはいけないのが顔の下に書かれてある数字は、それぞれの候補者が獲得した投票数ではないということです。

そしてこの表から大きい数字の順に当選が決まっていきます。1位当選から3位当選までは一目瞭然です。

比例代表選挙結果③

トラ党の1200とねこ党の1200は同じ数ですが、今回は7人の当選と決められているのでどちらも当選。で、最後の7人目も同じ数字、800となっています。この場合どちらを当選させるのか?

実はくじ引きで決めるんです!そして、この地区では7人と決められているので、それ以下の人は落選となります。

で、くじ引きの結果ねこ党が当選くじを引き当てたとして結果は以下のようになりました。

比例代表選挙結果最終

ドント式とは、このようにして決めていく計算方式を言います。

ちなみに全国の比例代表制のブロック(当選する議席)はこうなっています。


[参照:NHK選挙WEBより]

こう見ると、人口が多い地区は割り当てられている数が多くなっているのがわかります。

ちなみに、衆議院選では選挙区と比例どちらにも立候補することはできます。それを重複立候補(ちょうふくりっこうほ)と言います。

※参議院では重複しての立候補はダメです

比例復活とは?

さっき、名簿に載せる名前の順番の決め方がもう1つあるって話をちょっと紹介します。例えば選挙区で立候補して落選した人の中に「惜しくも敗れた」という人がいたとします。

1番下にある惜敗率(せきはいりつに注目!惜敗率とは、わずかな票差で負けてしまったことを率のことです。

この数字は以下の計算ででます。

落選投票数 ÷ 当選得票数 × 100 = 惜敗率

例えば、当選した人の票数が250として落選した人の票数が180だとします。

180 ÷ 250 × 100 = 72 ⇒ 72%

では落選した人の投票数が235だったとします。

235 ÷ 250 × 100 =94 ⇒ 94%

このように%の数字が高い方が、僅差で落選したということがわかります

そして惜敗率が高いほど、落選したけれど支持されている人ということが言えるわけですね。

政党は惜敗率が高い人を比例で当選させるために、名簿の順番を上位にすることもあります

上のように選挙区では落選したけれど、惜敗率が高くて比例で当選することを比例復活と言います。

 

た・だ・し!

 

惜敗率が高ければ誰もが復活当選するわけではありません。投票されたすべての数から無効票(白紙や別名を名前違いやふざけたもの)を引いた「有効票」の中から、10%以上の票をとることが必要です。

落選した人が比例復活するチャンスもあるので、政党としては気が抜けなくて棚ぼたみたいなこともあっていいんだろうけど、投票した人達からしたら「おいおい、あいつ落選したのになんで当選扱いになってるんだよー!」という気持ちもあります。

「 選挙区は自民党、比例は公明党へ~ 」なんて言ってるのを聞くと、ちょっとムカついたりもしています。

 



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